親子で挑むスキンケア大作戦
~子どものカサカサ肌~

子どもの皮膚は構造的にも機能的にも未発達です。特に乾燥してカサカサ肌になっている場合は、親が積極的に介入し適切なスキンケア製品の選択と使用方法を理解することで、子どもの皮膚を健やかに保つことができます。

今回は、 いちみや皮フ科クリニック 院長 一宮弘子先生に、こどものカサカサ肌ケアのポイントと、保護者の方ができることについて教えていただきます。

スキンケアの前に確認!

  • ■スキンケア商品の選び方
    スキンケア化粧品は、保湿性が高く、低刺激な製品を選びましょう。「アレルギーテスト済み」などの、各種安全性テスト実施済みの記載があるとよりいいでしょう。
    ※皮膚疾患治療中の場合は、かかりつけ医と相談してください。

    ■スキンケア方法の注意点
    皮膚のバリア機能*を壊さないよう、こすらず、「摩擦レスなスキンケア」を心がけましょう。
    *皮膚のバリア機能:体内の水分の蒸発を防ぎ、外部からの刺激やアレルゲン、微生物の侵入を防ぐ重要な役割のこと。

洗う

  • ■洗顔はなぜ必要?
    洗顔は基本的なことですがとても大切です。乾燥肌の方は、洗顔をすることで余計に乾燥することを心配され、朝は水洗いだけという方も多いです。夜に塗った保湿剤の油分やご自身の皮脂をそのままにしてしまうと、皮脂が酸化し過酸化脂質になってしまいます。この過酸化脂質は炎症や乾燥を招く原因になります。朝も洗顔料を使い、優しく泡洗顔しましょう。

    ■入浴時の注意点
    皮膚を清潔に保つことは重要です。汗や皮脂汚れ、感染症を繰り返す部位がある場合は、石けんをよく泡立ててやさしく洗いましょう。赤みやカサつきが目立つ部位には、石けんの使用を最小限にします。ワセリンなどの油脂を基剤とする軟膏が皮膚に残っている場合は、オリーブ脂などを塗ることで取り除くことができます。入浴時のお湯の温度は38~40度くらいを目安にしましょう。高温のお湯に長時間浸かるのは乾燥の原因になります。

    NG

    ・石けんを使わない
    ・42℃以上のお湯で洗う

    OK

    ・弾力のある泡でやさしく洗う
    ・ぬるま湯でやさしく、十分にすすぐ

うるおす

  • ■カサカサ肌はどんな状態?
    カサカサ肌は、皮膚の水分保持とフタの役割である皮脂量が足りていません。バリアが低下すると色々な刺激を受けやすくなります。

    ■保湿のポイント
    低下している保湿性を補うために、保湿性の高い製品を外用しましょう。外用回数は、1日2回、その内1回は入浴後が効果的です。カサカサ症状が無いように見える部位も含め、全身しっかり保湿しましょう。
    水分をいれてもそれを保持できなれければ、水分量を維持できません。アトピー性皮膚炎や炎症などの乾燥したお肌では、セラミドが少ないことが多いです。成分としてセラミドが含まれているものを選ぶのも良いでしょう。セラミドは疾患でも少なくなりますが、年齢を重ねても減っていきます。足りなくなってきたものを日々のスキンケアに取り入れて、補っていきましょう。

    NG

    ・症状がある部位しか塗らない
    ・薄く延ばして塗る

    OK

    ・症状が目立たない部位も含め、全身に塗る
    ・保湿製品は適量をこすらないように塗る

守る

  • 出典:日本化粧品工業会「紫外線防止の基本」

    ■紫外線防御の必要性
    過度な紫外線は皮膚バリア機能が低下し、カサカサ肌やアトピー性皮膚炎の症状を悪化させます。また、紫外線は将来のしみ、しわ、たるみなどの肌老化だけでなく皮膚がんの発症リスクにもなります。

    ■紫外線対策はどうする?
    外出の際は、帽子や長袖を着用し物理的に紫外線を防止する他、紫外線吸収剤を含まない日焼け止めを使用し小さい頃からの紫外線対策を生活習慣にしましょう
    日焼け止めは状況に応じたSPF、PA、耐水性のものを選ぶといいでしょう。ジクジクした湿潤病変や強い搔破痕がある場合は日焼け止めの使用は避け、物理的に紫外線を防御しましょう。

    ■日焼け止めの塗り方
    日焼け止めは塗布量が大切です。少ない量では効果が半減します。顔の塗布量の目安はパール2粒分、あるいは500円玉程度で通常の外用剤よりも多めの量が必要です。また、汗や皮脂などで落ちる場合があるため、2,3時間ごとなどのこまめな塗り直しが重要です。

  • NG

    ・薄く塗る
    ・何度も塗り伸ばしてこすっている

    OK

    ・こすらないよう、やさしく広げる
    ・顔の中心から外側に向かって伸ばす
    ・重ね塗りなどで塗り残しやムラを防ぐ
    ・汗をかいたり、タオルでふいたりした後には塗り直す
    ・耳の後ろ、うなじや髪の生え際も忘れずに塗る

ライフスタイル

  • 食べ物
    アレルギーや食べると明らかに皮膚の状態が悪くなるものがあれば避けましょう
    過剰な糖質は炎症を引き起こす物質の放出を促す報告もあります。ただし、食べたいものを我慢することでストレスとなり、湿疹が悪化することもあります。お子様にとってバランスの良い食事は、健康な肌の育成だけでなく、心身の成長に欠かせません。肌の為だけでなく、お子様の成長のためにも、無理のない範囲で、なるべくバランスの取れた食事を提供してあげてください。

    痒い時の対処法
    冷やすと痒みが和らぎますが、保冷剤を直接当てると痛みになるためタオルで包むなどし、調節してから患部に当てましょう。

一宮先生から保護者の方へのメッセージ

  • お子さんの肌の痒みや乾燥に悩む姿を見るのは、ご家族にとっても辛く心が痛むことと思います。
    アトピー性皮膚炎や乾燥肌は体質だけでなく、スキンケアや環境など多くの要因が重なって悪化します。一朝一夕に改善するものではないですが、お子様に合ったスキンケア習慣を継続することで、将来のお肌を変えることができます。
    毎日必ずやらないといけないと完璧を目指すのでなく、保護者の方もできる範囲でサポートしていきましょう。つらいときは一人で悩まずに、医師や看護師など専門家にご相談ください。

監修医師:一宮 弘子 先生

いちみや皮フ科クリニック 院長

大分医科大学医学部をご卒業後、同大学皮膚科へご入局。県立病院、クリニックでのご勤務を経て、2016年に、いちみや皮フ科クリニックをご開業。EDEN 美容皮膚エキスパートナース育成協会 理事も務められ、美容皮膚医療を行う看護師の育成に尽力。皮膚科専門医として保険診療を核としながらも美容医療の技術を取り入れ、患者様一人ひとりの美と健康をサポートしている。患者様から高い評価を受けているスキンケア指導は、自身もアトピー性皮膚炎で苦労した経験と子育てから得た知見を活かしており、皮膚疾患でお悩みの患者様や、その治療をサポートする保護者の方々から厚い信頼を得ている。

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